○甲賀市文化芸術振興条例
令和6年12月27日
条例第34号
甲賀市は、緑豊かな自然及び歴史的風土に恵まれ、城下町及び宿場町等の交通の要衝として発展する中、多様な文化及び芸術が生み出され、ふれあい、受け入れる土壌を育んできました。それは、先人によって学びの場を維持しながら、多様な文化及び芸術を創造し、郷土愛が地域の中に脈々と根付いてきた証であります。
文化は市民社会の基盤となり、芸術は生活に溶け込むことにより、人々の心を豊かにするとともに日々の暮らしに潤いを与え、しなやかな感性を育みます。
文化及び芸術があらゆる垣根を越えて、誰もが、幼少の成長過程から生涯にわたり学ぶことの歓びを享受し、一人ひとりの個性を尊重し、創造性が発揮できる豊かなまちづくりを進めるため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、文化芸術基本法(平成13年法律第148号。以下「法」という。)第4条の規定及び障害者による文化芸術活動の推進に関する法律(平成30年法律第47号)第5条の規定に基づき、本市における文化及び芸術に関する施策(以下「文化芸術施策」という。)について、市の責務及び市民等の役割を明らかにするとともに、文化芸術施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術施策を推進し、もって心豊かな市民生活及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。
(基本理念)
第2条 文化芸術施策の推進に当たっては、次に掲げる事項を基本理念とする。
(1) 文化及び芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)に携わる者の自主性及び創造性を尊重すること。
(2) 多様な文化芸術活動により市民生活を活気あるものとし、まちの魅力を高め、にぎわいのあるまちづくりに資するよう努めること。
(3) 文化芸術活動を担う市内外の様々な主体が連携及び協働することにより人々の交流及び対話を促し、開かれたまちづくりを推進すること。
(4) 誰もが文化及び芸術に親しみ、多様な価値を育むことができるよう環境を整え、本市で培われた文化及び芸術を財産として次世代に継承すること。
(基本方針)
第3条 市及び市民等は、前条に規定する基本理念に基づき、次に掲げる事項を基本方針として、文化芸術施策を計画的かつ主体的に推進するものとする。
(1) 一人ひとりの自主性、主体性及び創造性を尊重し、誰もが文化芸術にふれる機会の創出及び情報の発信
(2) 未来の文化芸術を創造する子どもの育成並びに後継者及び担い手の育成
(3) 文化財等の文化資源を活用し、潜在的価値を掘り起こすことによるまちづくりの推進
(4) 施設の整備及び有効活用を図り、文化及び芸術に関する専門的知識又は技能を有する者の発掘、育成、確保及び登用の推進
(5) 文化芸術活動の実践を通して、地域課題の解決及びまちづくりの推進
(市の責務)
第4条 市は、前条に規定する基本方針にのっとり、文化芸術施策を策定し、計画的に推進するものとする。
2 市は、文化芸術施策を推進するに当たり、文化及び芸術の固有の意義及び価値を尊重しつつ、関連分野における施策との有機的な連携を図り、文化及び芸術に関わる多様な情報を発信するものとする。
3 市は、文化芸術施策の推進に必要な財政上の措置を講じるよう努めるものとする。
(市民の権利及び役割)
第5条 市民は、自らが文化及び芸術を創造し、又は享受する権利を有するとともに、第2条に規定する基本理念を理解し、文化及び芸術の担い手として、相互に連携しつつ、その継承に努めるものとする。
(文化芸術団体の役割)
第6条 文化芸術団体は、自らが行う創造的な文化芸術活動に誇りを持ち、充実を図るとともに、文化及び芸術の継承及び発展に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。
2 文化芸術団体は、相互に協力し、市民の文化芸術活動の推進に努めるものとする。
(学校等の役割)
第7条 学校等は、自主的かつ主体的に、次代の担い手となる子ども及び青少年の文化芸術活動を支援するとともに、文化芸術に親しむ機会の創出に努めるものとする。
(事業者の役割)
第8条 事業者は、自主的かつ主体的に、文化芸術を振興する役割を担うとともに、文化芸術活動の支援に努めるものとする。
(関係者相互の連携及び協働)
第9条 市、市民、地域、文化芸術団体、学校等、事業者及びその他文化芸術に関する施策に関係する者は、相互に連携を図りながら協働し、文化芸術施策を推進するよう努めるものとする。
(文化芸術施策の推進に関する計画の策定)
第10条 市は、文化芸術施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、文化芸術施策に関する基本的な計画を策定するものとする。
(甲賀市文化のまちづくり審議会の設置)
第11条 文化芸術施策の推進に関する重要事項を審議するため、法第37条の規定により、甲賀市文化のまちづくり審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、甲賀市教育委員会(以下「教育委員会」という)の諮問に応じ、文化芸術施策の推進について調査審議し、その結果について答申する。
3 審議会は、文化芸術施策の推進に関し必要な事項について、教育委員会に意見を述べることができる。
4 審議会は、15人以内の委員をもって組織する。
5 委員は、次に掲げる者のうちから教育委員会が委嘱する。
(1) 市民
(2) 学識経験者
(3) 公募により選出された者
(4) その他教育委員会が適当と認める者
6 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における後任の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会が別に定める。
付則
(施行期日)
1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、現に甲賀市附属機関設置条例(平成25年甲賀市条例第35号)別表の規定により教育委員会に置かれた同表に規定する甲賀市文化のまちづくり審議会の委員である者は、この条例の施行の日に、第11条第5項の規定による委嘱を受けたものとみなす。
(甲賀市附属機関設置条例の一部改正)
3 甲賀市附属機関設置条例の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略