○甲賀市債権管理条例

平成23年9月30日

条例第30号

(目的)

第1条 この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理について必要な事項を定めることにより、市の債権の管理の適正化を図り、もって公正かつ円滑な行財政運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「市の債権」とは、金銭の給付を目的とする権利(地方自治法(昭和22年法律第67号)第240条第4項各号に規定する債権及び同法第231条の3第3項に規定する歳入に係る債権並びに他の法律により滞納処分ができる債権を除く。)をいう。

(他の法令等との関係)

第3条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例等に定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(市長の責務)

第4条 市長は、法令又は条例等に従い、市の債権を適正に管理しなければならない。

(督促)

第5条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、履行期限後20日以内に、期限を指定してこれを督促しなければならない。

(強制執行等)

第6条 市長は、市の債権について、督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第9条に規定する徴収停止の措置をとる場合又は第10条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されている債権(保証人の保証がある債権を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しない債権(第1号に該当する債権で同号の措置をとってなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第7条 市長は、市の債権について、履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第10条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第8条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第9条 市長は、市の債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押えることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第10条 市長は、市の債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る債権は、徴収すべきものとする。

(免除)

第11条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。

2 前項の規定は、前条第1項第5号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係る債権で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。

(債権の放棄)

第12条 市長は、市の債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を放棄することができる。

(1) 債務者が生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受け、又はこれに準ずる著しい生活困窮状態にあり、資力の回復が困難であると認められる場合で、弁済の見込みがないと認められるとき。

(2) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令等の規定により、債務者が当該債権につきその責任を免れたとき。

(3) 当該債権について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき。

(4) 第6条に規定する強制執行等の手続又は第8条第1項に規定する債権の申出等の措置をとってもなお完全に履行されない当該債権について、当該措置が終了したときにおいて、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、弁済する見込みがないと認められるとき。

(5) 第9条に規定する徴収停止の措置をとった債権について、徴収停止の措置をとった日から相当の期間を経過した後においてもなお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、弁済する見込みがないと認められるとき。

(6) 債務者が死亡し、その債務について限定承認による相続があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用及び当該債権に優先する債権の金額の合計を超えないと認められるとき。

(7) 債務者が失踪、行方不明その他これに準ずる事情にあり、かつ、徴収の見込みがないと認められるとき。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成23年10月1日から施行する。

(甲賀市水道事業給水条例の一部改正)

2 甲賀市水道事業給水条例(平成16年甲賀市条例第176号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

甲賀市債権管理条例

平成23年9月30日 条例第30号

(平成23年10月1日施行)