○甲賀市法定外公共物管理条例

平成17年3月28日

条例第25号

(趣旨)

第1条 この条例は、法令に特別の定めがあるもののほか、市が所有する法定外公共物の利用の適正を図るため、その管理について必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において「法定外公共物」とは、一般の公共の用に供されている次の道路及び河川等をいう。

(1) 道路 道路法(昭和27年法律第180号)その他の法令において管理について特別の定めのない道で、トンネル、橋梁等道路と一体をなす施設、構造物その他の付属物を含む。

(2) 河川等 河川法(昭和39年法律第167号)の適用又は準用を受けない河川その他の法令において管理について特別の定めのない水路及びため池等で、堤防、水門、せき、護岸等河川と一体をなす施設、構造物その他の付属物を含む。

(法定外公共物の保全)

第3条 市民その他法定外公共物を利用する者は、当該法定外公共物が常に良好な状態で利用できるよう、その保全に努めるものとする。

2 市長は、法定外公共物の保全のために必要な措置を講ずるものとする。

(行為の禁止)

第4条 何人も、法定外公共物において、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

(1) 法定外公共物を損傷し、又は汚損すること。

(2) 法定外公共物に、土石、竹木、汚物、毒物、廃棄物その他これらに類するものを投棄し、又は堆積すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、法定外公共物の保全又は利用に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。

(占用等の許可)

第5条 法定外公共物において、次の各号に掲げる行為(以下「占用等」という。)をしようとする者は、市長の許可を受けなければならない。許可を受けた事項を変更しようとするときも同様とする。

(1) 法定外公共物の敷地を占用すること。

(2) 法定外公共物の施設、構造物その他の付属物を新築し、改築し、除去し、若しくはこれらに類する土木工事をし、又は法定外公共物の敷地を掘削し、盛土し、若しくはこれらに類する土木工事をすること。

(3) 河川等から土砂、砂、砂利その他これらに類するものを採取すること。

(4) 河川等の流水を占用すること。

2 占用等の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、必要な書類を添付のうえ市長に申請しなければならない。

3 市長は、占用等の許可をする際に法定外公共物の管理上必要な条件を付すことができる。

4 次の各号のいずれかに該当する行為については、占用等の許可を必要としない。

(1) 自治会等で行う小規模な修繕、草刈り、軽易な障害物の処分、水路清掃その他これらに類する小規模な保全作業等の行為

(2) 電線等の上空横過で法定外公共物の機能に支障を及ぼさないとみなされる行為

(3) かんがいの用に供する行為

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が認める行為

(許可の期間)

第6条 占用等の許可の期間は、5年以内とする。ただし、公共の用に供する目的で長期にわたり施設、構造物その他の付属物を設置する場合については、10年以内とすることができる。

(占用料等)

第7条 市長は、占用等の許可を受けた者(以下「占用者」という。)から別表で定める占用料又は採取料(以下「占用料等」という。)を徴収するものとする。

2 占用料は、許可の期間における各年度の占用に係る額について各年度の当初に徴収するものとし、最初の年度の占用に係る額については許可の際に徴収する。

3 前項の規定にかかわらず、当該許可の期間の占用料を一括して徴収することができる。

4 採取料は、許可の際にその全額を徴収する。

5 既に納付された占用料等は、還付しない。当該許可の期間の中途で占用を廃止し、又は採取を中止した場合においても同様とする。ただし、市長が特別の事由があると認めるときは、この限りでない。

(占用料等の減免)

第8条 市長は、公益上その他特別の事由があると認めるときは、占用料等を減額し、又は免除することができる。

(維持管理)

第9条 占用者は、占用等の許可に係る法定外公共物について、常に良好な状態に維持管理しなければならない。

(原状回復)

第10条 占用者は、その占用等の許可の期間が満了し、又はその占用等の許可に係る事由が消滅したときは、その旨を市長に届け出るとともに、速やかに法定外公共物を原状に回復しなければならない。ただし、市長が原状に回復することが適当でないと認めるときは、この限りでない。

2 市長は、前項の規定による原状回復が行われず、法定外公共物の管理上支障をきたしていると認めるときは、占用者に対し原状に回復するよう命ずることができる。第4条各号に掲げる禁止行為が行われ、法定外公共物の管理上支障をきたしていると認めるときも同様とする。

(権利の譲渡等の禁止)

第11条 占用者は、その許可に基づく権利を他人に譲渡し、転貸し、又は担保に供してはならない。ただし、市長の承認を受けたときは、この限りでない。

(権利義務の承継)

第12条 占用者について、相続、合併又は分割があったときは、その相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により占用等の許可に基づく権利若しくは当該許可に係る工作物等を承継した法人は、占用者が有していた当該占用等の許可に基づく地位を承継する。

2 前項の規定により占用者の地位を承継した者は、その承継の日から30日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

(国等の特例)

第13条 国又は地方公共団体が行う事業のため占用等の許可を受けようとするときは、これらの事業を行う者があらかじめ市長と協議し、その同意を得れば足りるものとする。協議した事項を変更しようとするときも同様とする。

(許可の取消し等)

第14条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、占用等の許可を取り消し、若しくはその条件を変更し、又は占用等の中止、施設、構造物等の改築、移転、除却等を命ずることができる。

(1) この条例の規定又はこの条例に基づく処分に違反した者

(2) 第5条第3項の規定により付された条件に違反した者

(3) 偽りその他不正な手段により占用等の許可を受けた者

2 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、占用者に対して、前項に規定する処分をし、又は措置を命ずることができる。

(1) 法定外公共物に関する工事等のためやむを得ない必要が生じた場合

(2) 法定外公共物の構造又は利用に著しい支障が生じた場合

(3) 前2号に掲げる場合のほか、法定外公共物の維持管理上やむを得ない必要が生じた場合

(協議による境界の確定)

第15条 市長は、法定外公共物の境界が明らかでないため法定外公共物の管理に支障があるときは、隣接地の所有者に対し、立会場所、期日その他必要な事項を通知して境界を確定するための協議を求めることができる。

2 前項の協議が整った場合には、市長及び隣接地の所有者は、書面により確定された境界を明らかにしなければならない。

(立入調査)

第16条 市長は、法定外公共物に関する調査、測量若しくは工事又は法定外公共物の維持管理のため特に必要があると認めるときは、職員又は市長が指定する者を他人の占有する土地へ立ち入らせることができる。

2 前項の規定により立ち入りをする場合は、あらかじめ当該土地を占有する者にその旨を通知しなければならない。

3 第1項の規定により立ち入りをする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(過料)

第18条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第4条各号に掲げる行為を行った者

(2) 占用等の許可を受けないで占用等をした者又は第5条第3項の許可条件に違反した者

(3) 第10条第1項の規定による原状回復をしなかった者

(4) 第14条の規定による市長の命令に従わなかった者

2 詐欺その他不正の行為により第7条の占用料等の徴収を免れた者は、その徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは5万円とする。)以下の過料に処する。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、滋賀県普通河川取締条例(昭和33年滋賀県条例第29号)の規定に基づきなされた占用等の許可であって、施行日においてその満了する日(以下「満了日」という。)が到来していないものについては、施行日から満了日までの期間は、この条例の規定に基づく占用等の許可を受けたものとみなす。この場合において、当該期間に係る占用料等は、徴収しない。

3 施行日の前日までに、甲賀市流水占用料等徴収条例(平成16年甲賀市条例第145号)の規定に基づきなされた占用等であって、施行日において満了日が到来していないものについては、施行日から満了日までの期間は、この条例の規定に基づく占用等の許可を受けたものとみなす。

(甲賀市流水占用料等徴収条例の廃止)

4 甲賀市流水占用料等徴収条例は、廃止する。

(平成21年条例第74号)

この条例は、平成22年4月1日から施行する。

別表(第7条関係)

種別

種類

単位

金額(円)

占用料

通路、通路橋その他これらに類する施設

占用面積1平方メートルにつき1年

500

上記によるもののほか、甲賀市道路占用料徴収条例(平成16年甲賀市条例第143号)の定めるところによる。

採取料

土砂

1立方メートル

170

260

砂利

310

ぐり石

350

転石

1個

170円に控長30センチメートルから控長10センチメートル増すごとに37円を加えた額

庭石

4,800円に控長80センチメートルから控長10センチメートル増すごとに520円を加えた額

備考

1 石については、控長30センチメートル未満のものをぐり石に、控長30センチメートル以上80センチメートル未満のものを転石に、控長80センチメートル以上のものを庭石に区分する。

2 控長80センチメートル以上の石で、採取する区域において分割するものは、当該分割後の石の大きさに応じて備考1の規定の例により区分してこの表を適用する。

3 数量の算出方法は、次に定めるところによる。

(1) 採取物件の体積が1立方メートル未満であるとき、又はその体積に1立方メートル未満の端数があるときは、その満たない数又はその端数は、1立方メートルとする。

(2) 転石又は庭石の控長に10センチメートル以下の端数があるときは、その端数は、10センチメートルとする。

甲賀市法定外公共物管理条例

平成17年3月28日 条例第25号

(平成22年4月1日施行)