令和4年(2022年)11月30日、本市に伝わる瀧樹(たぎ)神社のケンケト踊りを含む「風流踊(ふりゅうおどり)」が、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)無形文化遺産に登録されました。本市では初めてのことであり、瀧樹神社のケンケト踊りが地域はもとより世界の「宝」として認められました。
瀧樹神社のケンケト踊り
甲賀町岩室、土山町前野・徳原に伝わる瀧樹神社のケンケト踊りは、毎年5月3日の春祭りで奉納されます。孔雀や山鳥などの羽根で作ったシャガマを被った踊り子の子ども達が、神社や地域の各所で囃子(はやし)に合わせて踊りを披露します。
ハナバイ(花奪い)も、このお祭りの特色で、神幸行列(しんこうぎょうれつ)で地域を巡り、神社にやってきたハナガサを参拝者が倒して、赤い造花などの飾りを奪い合います。取った花を家に持ち帰り、神棚や玄関などに飾っておくと、災難を免れると伝えられています。
滋賀県南東部(甲賀市・守山市・東近江市・蒲生郡竜王町)に伝わる「近江のケンケト祭り長刀振(なぎなたふ)り」の1つです。
瀧樹神社のケンケト踊り(馬場踊りの様子)
ユネスコ無形文化遺産「風流踊(ふりゅうおどり)」
風流踊とは、華やかな、人目をひく、という「風流(ふりゅう)」の精神を体現し、衣装や持ちものに趣向をこらして、歌や笛、太鼓、鉦などに合わせて踊る民俗芸能のことです。室町時代の末期、祇園祭(京都)の露払いや囃子が風流の芸能として大流行し、やがて各地に伝わっていきました。除災や死者供養、豊作祈願、雨乞いなど、安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められ、各地域の風土や歴史に応じて、多種多彩に伝承されています。