○甲賀市パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓制度に関する要綱
令和6年6月3日
告示第89号
(趣旨)
第1条 この告示は、甲賀市人権尊重のまちづくり条例(平成16年甲賀市条例第196号)の理念に基づき、明るく住みよい人権尊重のまちの実現を目指し、全ての市民がお互いの人権を尊重し、多様性を認め合い、誰もがパートナーや家族とともに自分らしく人生を歩んでいけるように支援するため、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓制度の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。
(1) 性的マイノリティ 性的指向(恋愛感情又は性的感情の対象となる性についての指向をいう。以下同じ。)が異性のみでない者、性自認(自己の性についての認識をいう。以下同じ。)が出生時に判定された性と異なる者等をいう。
(2) パートナーシップ 互いを人生のパートナーとして尊重し、日常の生活において継続して協力し合う一方又は双方が性的マイノリティである2者の関係をいう。
(3) ファミリーシップ パートナーシップにある者が、一方又は双方の子(養子を含む。)、親等の近親者(直系血族、3親等内の傍系血族又は直系姻族をいう。以下同じ。)その他市長が認める者と、生計が同一である家族としての関係をいう。
(4) ファミリーシップ対象者 ファミリーシップを形成しようとする者のうち、パートナーシップ関係にある2人以外の者をいう。
(5) 宣誓 パートナーシップ又はファミリーシップにあることを誓い、市長に対してこれを表明することをいう。
(対象者)
第3条 パートナーシップの宣誓をすることができる者は、次の各号のいずれにも該当する者とする。
(1) 宣誓しようとする者の一方又は双方が性的マイノリティであること。
(2) パートナーシップにある当事者(以下「当事者」という。)がともに民法(明治29年法律第89号)第4条に規定する成年に達していること。
(3) 当事者の一方又は双方が市内に住所を有し、又は3月以内に市内に転入する予定があること。
(4) 当事者に配偶者(婚姻届の提出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)がいないこと、かつ、宣誓をしようとする者以外の者とパートナーシップにないこと。
(5) 当事者が近親者でないこと。ただし、当事者が養子縁組によって近親者となった場合を除く。
2 ファミリーシップの宣誓をすることができる者は、次の各号のいずれにも該当する者とする。
(1) パートナーシップの宣誓をした者であること。
(2) 当事者の一方又は双方がファミリーシップ対象者と生計が同一であること。
(3) ファミリーシップ対象者の同意(15歳未満の者にあっては、親権者の同意)があること。
(宣誓の方法)
第4条 宣誓をしようとする者は、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書(様式第1号。以下「宣誓書」という。)に次に掲げる書類を添えて、市長に提出しなければならない。
(1) 当事者の一方又は双方が市内に住所を有している場合にあっては住民票の写し又は住民票記載事項証明書(続柄の記載があるもの。以下「住民票の写し等」という。)、当事者のいずれもが市内に住所を有していない場合にあっては少なくともいずれか一方が市内に転入する予定であることを確認できる資料等
(2) 当事者が現に婚姻をしていないことを証明する書類
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める書類
2 パートナーシップと併せてファミリーシップにあることを宣誓しようとする者は、前項各号に規定する書類のほか、ファミリーシップ対象者との関係及び生計が同一であることを確認できる書類を添付しなければならない。
3 宣誓書は、必要事項を記入し、宣誓をしようとする者が署名しなければならない。ただし、本人が署名することができないと市長が認めるときは、この限りでない。
(本人確認)
第5条 市長は、パートナーシップ又はファミリーシップの宣誓の際には、宣誓をしようとする者が本人であることを確認するため、次の各号のいずれかの書類の提示を求めるものとする。
(1) 個人番号カード、運転免許証その他の官公署が発行した免許証、許可証、登録証明証等であって、宣誓をしようとする者の顔写真が貼付されたもの
(2) 前号に掲げるもののほか、市長が適当と認める書類
(通称名の使用)
第6条 第4条に規定する宣誓手続においては、戸籍に記載されている氏名(外国籍の者にあっては、旅券又は在留カードに記載された氏名)と併せて通称名を使用することができる。この場合において、通称名を使用する者は、通称名を日常的に使用していることが確認できる書類を宣誓書に添付するものとする。
2 市長は、宣誓者のいずれもが市内に住所を有していない場合は、受領証等に代えてパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度転入予定受付票(様式第4号。以下「転入予定受付票」という。)を交付するものとする。
3 前項の規定により転入予定受付票を交付された宣誓者のうちいずれかが本市に転入した場合は、本市に転入した日から原則14日以内に、住民票の写し等を市長に提出するものとする。この場合において、市長は、宣誓者のいずれかが市内に住所を有することを確認できたときは、受領証等を交付するものとする。
(1) 宣誓者の意思によりパートナーシップを解消したとき。
(2) 宣誓者の一方が死亡したとき。
(3) 宣誓者がともに本市に住所を有しなくなったとき。
(4) 次条第1項の規定により、宣誓が無効となったとき。
(5) 第3条第1項各号に規定する要件に該当しなくなったとき。
2 宣誓者は、第3条第2項各号に規定する要件に該当しなくなったときは、速やかに、別に定める変更手続を行わなければならない。
4 市長は、第1項第1号に該当する場合において、宣誓者の一方により返還届の提出があったときは、返還届を受理した後、もう一方の当事者に対し、当該返還届を受理したことを通知するものとする。
5 市長は、第1項の規定により返還された受領証等の交付番号を公表することができる。
(宣誓の無効)
第9条 宣誓は、次の各号のいずれかに該当する場合には無効とする。
(1) 宣誓者の一方又は双方にパートナーシップを形成する意思がなかったとき。
(3) 宣誓書の内容に虚偽があったとき。
(4) 受領証等を不正に使用したとき。
2 市長は、無効とした受領証等の交付番号を公表することができる。
(配慮事項)
第10条 市長は第1条の趣旨に鑑み、特に必要と認めた場合は、宣誓者の意思を尊重した取扱いに努めるものとする。
2 本制度の実施に当たり、職員は宣誓者の意思を尊重するとともにプライバシーに十分配慮し、また職務上知り得た個人情報については、秘密保持を厳守しなければならない。その職を退いた後も、同様とする。
(市民及び事業者への周知)
第11条 市長は、本制度の趣旨が十分に理解され、社会活動の中で公平かつ適切な対応が行われるよう、市民及び事業者への周知及び啓発に努めるものとする。
(その他)
第12条 この告示に定めるもののほか、パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓制度に関し必要な事項は、市長が別に定める。
付則
この告示は、令和6年6月10日から施行する。