○甲賀市空家等の活用、適正管理等に関する条例

平成28年12月26日

条例第33号

(目的)

第1条 この条例は、空家等の増加が防災、衛生、景観等の生活環境に多くの問題を生じさせ、さらには地域社会の活力を低下させる原因の一つになっていることに鑑み、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)に定めるもののほか、空家等の発生の予防、活用及び適正な管理並びに跡地の活用(以下「空家等の活用等」という。)について必要な事項を定めることにより、空家等の活用等を総合的に推進し、もって安心かつ安全な生活環境の確保、地域社会の活性化、まちづくりの活動の促進及び地域の良好な景観の保全に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 空家等 本市の区域内に存する建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

(2) 特定空家等 次のいずれかに該当する状態であって、かつ、管理不全状態(別に規則で定める基準に該当する状態をいう。以下同じ。)と認められる空家等をいう。

 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

 そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

 その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

(3) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(4) 跡地 空家等を除却した後の敷地をいう。

(5) 地域コミュニティ組織 区・自治会及び自治振興会その他の地域住民が公益的な活動を行うために組織する団体をいう。

(6) 所有者等 所有者又は管理者をいう。

(7) 事業者 本市の区域内において、不動産業、建設業その他の空家等の活用等と関連する事業を営む者をいう。

(8) 市民等 市民及び本市の区域内に存する建築物の所有者等をいう。ただし、空家等の所有者等を除く。

(基本理念)

第3条 市、地域コミュニティ組織、空家等の所有者等、事業者及び市民等は、次に掲げる事項を基本理念として、空家等の活用等に努めるものとする。

(1) 建築物は、まちを構成する重要な要素として、安心かつ安全な生活環境の確保及び地域の良好な景観の保全の実現に大きな役割を担うことに鑑み、その利用及び管理が図られること。

(2) 空家等は、地域社会の有用な資源として、活用が図られること。

(3) 空家等の活用等は、既存の建築物の保全、活用及び流通を促進する見地から推進されること。

(4) 空家等の発生の予防及び活用並びに跡地の活用は、地域社会の活性化を図る観点から推進されること。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、空家等の活用等を総合的に推進するよう努めるものとする。

2 市は、空家等の活用等の推進に当たっては、地域コミュニティ組織の取組を尊重するものとする。

3 市は、空家等の活用等への空家等の所有者等、事業者、市民等及び地域コミュニティ組織の参加及び協力を促進するよう努めるものとする。

4 市は、空家等の活用及び流通の促進を図るため、甲賀市空き家バンク制度のほか必要な支援を行うよう努めるものとする。

(空家等の所有者等の責務)

第5条 空家等の所有者等は、基本理念にのっとり、空家等の活用及び適正な管理に努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、空家等及び跡地の活用及び流通の促進に努めるものとする。

(市民等の責務)

第7条 市民等は、基本理念にのっとり、空家等の活用等に協力するとともに、空家等の発生の予防に努めるものとする。

(地域コミュニティ組織の役割)

第8条 地域コミュニティ組織は、基本理念にのっとり、空家等の状況及びその所有者等に関する情報の把握その他空家等の活用等の推進に協力するものとする。

(相互の協力)

第9条 市、空家等の所有者等、事業者、市民等及び地域コミュニティ組織は、この条例の目的を達成するため、相互に、その果たす役割を理解し、協力するものとする。

(基本的施策)

第10条 市は、空家等の所有者等、事業者及び市民等が空家等の活用等に関する理解を深め、これに自主的に取り組むよう、広報活動、啓発活動その他の必要な措置を講じるものとする。

2 市は、空家等及び跡地の所有者等からの空家等の活用等に関する相談に応じるとともに、これらの者に対し、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

3 市は、地域コミュニティ組織と連携して空家等の活用等に取り組むとともに、地域コミュニティ組織が行う地域社会における空家等の活用等に関する取組への支援を行うものとする。

4 市は、空家等の所有者等、事業者、市民等及び地域コミュニティ組織の間の相互理解が増進され、協力が推進されるよう、交流の促進その他の必要な措置を講じるものとする。

5 市は、空家等の活用等を総合的に推進するために必要な体制を整備するものとする。

(空家等の発生の予防)

第11条 建築物の所有者等は、当該建築物の老朽化、未登記その他将来において空家等の発生の原因となるおそれのある事実があるときは、当該建築物の改修、登記その他空家等の発生を予防するために必要な措置を講じるよう努めるものとする。

2 市は、良質な住宅の普及の促進を図るとともに、既存の建築物の保全のために必要な支援その他空家等の発生の予防に資する措置を講じるものとする。

(空家等の活用)

第12条 空家等の所有者等は、当該空家等を利用する見込みがないときは、賃貸、譲渡その他の当該空家等を活用するための取組を行うよう努めるものとする。

2 事業者は、前項の取組に協力するよう努めるものとする。

3 市は、空家等の流通の促進のために必要な環境の整備その他空家等の円滑な活用に資する措置を講じるものとする。

4 市は、空家等をまちづくりの活動拠点その他地域社会の活性化に資するものとして活用する取組を行う者に対し、必要な支援その他の措置を講じるものとする。

(空家等の適正な管理)

第13条 空家等の所有者等は、当該空家等が管理不全状態とならないように、自らの責任において当該空家等の適正な管理に努めるものとする。

2 空家等の所有者等は、当該空家等が管理不全状態にあるときは、自らの責任において、直ちに当該管理不全状態を解消するものとする。

(助言及び指導)

第14条 市長は、当該空家等が管理不全状態になることを予防する必要があると認めるとき、又は当該空家等が管理不全状態となっているときは、当該空家等の所有者等に対し、その予防又はその状態の解消のための除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない空家等については、建築物の除却を除く。)をとるよう、助言及び指導を行うものとする。

(跡地の活用)

第15条 空家等の所有者等は、当該空家等が除却されたときは、跡地を利用しない状態で放置せず、適正な管理を行うとともに、活用するよう努めるものとする。

2 地域コミュニティ組織は、跡地の所有者等の理解と協力を得ながら、地域社会の活性化に資するものとして跡地を活用するよう努めるものとする。

3 事業者は、跡地の所有者等による当該跡地を活用するための取組に協力するよう努めるものとする。

(協議会の設置)

第16条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、甲賀市空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。

(協議会の担任する事務)

第17条 協議会は、空家等対策に関する事項について調査及び審議をする。

(協議会の組織)

第18条 協議会は、委員9人以内で組織する。

2 委員は、市長のほか、市民、法務、不動産、建築等に関する知識経験を有する者その他市長が必要と認める者のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(報告の徴収)

第19条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、建築物等の所有者等に対し、当該建築物等の使用及び管理の状況について報告を求めることができる。

(委任)

第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(準備行為)

2 第18条第2項の規定による協議会の委員の委嘱に関し必要な行為は、この条例の施行の日前においても、同項の規定の例によりすることができる。

甲賀市空家等の活用、適正管理等に関する条例

平成28年12月26日 条例第33号

(平成29年4月1日施行)