○甲賀市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年11月10日

告示第79号

(趣旨)

第1条 この告示は、介護保険法(平成9年法律第123号)に定めるもののほか、認知症高齢者の早期診断・早期対応に向けた支援体制の整備について、必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 本事業の実施主体は、市とする。ただし、この事業の一部を市長が適当と認める団体等に委託することができる。

(定義)

第3条 この告示において、「支援対象者」とは、在宅で生活している市内に在住する40歳以上の認知症が疑われる者又は認知症の者(いずれも甲賀市認知症初期集中支援事業の利用に本人又は家族が同意した者に限る。)であって、次の各号のいずれかに該当するものとする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又は中断している者であって、次のいずれかに該当するもの

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療又は介護サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けている者であって、認知症の行動及び心理症状が顕著なため、対応に苦慮しているもの

2 この告示において「認知症初期集中支援チーム」とは、複数の専門職が家族の訴え等により支援対象者及びその家族を訪問し、アセスメント、家族支援等の初期(支援対象者へのかかわりの初期のことをいう。以下同じ。)の支援を包括的かつ集中的(おおむね6箇月の支援期間をいう。以下同じ。)に行い、自立生活のサポートを行うチームをいう。

(事業内容)

第4条 本事業の内容は、次に掲げるとおりとする。

(1) 認知症初期集中支援チームに関する普及啓発活動

(2) 認知症初期集中支援チームによる次に掲げる支援

 支援対象者の把握

 情報収集、観察及び評価

 初回訪問時の支援

 専門医を含めた認知症初期集中支援チーム員会議の開催

 初期集中支援の実施

 引継ぎ後のモニタリング

 支援実施中の情報の共有

(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会の開催

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事業

(認知症初期集中支援チーム員の構成)

第5条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、次項に規定する専門職2人以上及び第3項に規定する専門医1人の計3人以上で編成することとし、そのチーム員は市長が委嘱し、又は任命する。

2 専門職は、次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1) 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務、相談業務等に3年以上携わった経験がある者

(3) 国が定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識及び技能を修得する者。ただし、やむを得ない場合には、国が定める研修を受講したチーム員が受講内容をチーム内で共有し、必要な知識及び技能を修得することを条件として、同研修を受講していないチーム員の事業参加も可能とする。

3 専門医は、日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医である医師とする。ただし、本文に掲げる医師の確保が困難な場合には、当分の間、次に掲げる医師も認めることとする。

(1) 日本精神老年医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者

(2) 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(任期)

第6条 チーム員の任期は、3年とする。ただし、チーム員の退任に伴い、新たにチーム員となった者の任期は、前任の残任期間とする。

2 チーム員は、再任することができる。

(認知症初期集中支援チーム員の役割)

第7条 第5条第2項に規定する専門職は、支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期集中支援を行うための訪問活動等を行う。

2 第5条第3項に規定する専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導、助言等を行うとともに、必要に応じてチーム員とともに支援対象者宅を訪問する。

(認知症初期集中支援チーム検討委員会)

第8条 市は、認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置する。

2 検討委員会は、医療、保健及び福祉に携わる関係者から構成され、次に掲げる検討を行う。

(1) 認知症初期集中支援チームの活動状況に関すること。

(2) 認知症に関する関係機関の連携システムの構築に関すること。

(3) その他認知症初期集中支援チームの活動について必要な事項に関すること。

(守秘義務)

第9条 チーム員及び関係者は、職務上知り得た事項を他に漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(記録の保管)

第10条 市は、支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保管するものとする。

2 第2条ただし書に基づき、その一部を委託された団体等は、支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類のすべてを当該支援終了後、速やかに市長へ返却しなければならない。

(事業報告)

第11条 この告示に規定する各事業について、第2条ただし書に基づき、その一部を委託された団体等は、当該年度終了後、速やかに市長へ事業報告書を提出しなければならない。

(庶務)

第12条 この告示に規定する事業及びその庶務は、第2条ただし書により委託した事業及びその庶務を除き、健康福祉部所管課又は地域包括支援センターにおいて処理する。

(その他)

第13条 この告示において定めるもののほか、本事業の実施に関し必要な事項は市長が別に定める。

この告示は、平成28年12月1日から施行する。

甲賀市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年11月10日 告示第79号

(平成28年12月1日施行)