○甲賀市消防団員の懲戒処分の基準及び審査に関する規程
平成25年3月29日
訓令第1号
(目的)
第1条 この訓令は、甲賀市消防団条例(平成16年甲賀市条例第179号。以下「条例」という。)第9条の規定に基づく甲賀市消防団員(以下「団員」という。)の懲戒処分について、その基準及び審査等に関する事項を定め、もって懲戒処分の公正を確保することを目的とする。
(懲戒処分の基準等)
第2条 条例第4条に規定する任命権者(以下「任命権者」という。)は、団員が条例第9条第1項各号のいずれかの規定に違反したときは、当該行為の態様及び結果、故意又は過失の程度、公務内外に与える影響、当該団員の職責、過去の非違行為の状況、日頃の勤務態度等を総合的に考慮し、別表に規定する非違行為の種類に応じ同表に掲げる懲戒処分の基準に従い、当該団員に対し処分を行うものとする。
2 この訓令において、懲戒処分の軽重は、戒告、停職、免職の順序による。
(1) 団員の非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき、又は非違行為の結果が極めて重大であるとき。
(2) 団員の非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき。
(3) 団員の非違行為が故意又は重大な過失によるものと認められるとき。
(4) 団員が管理又は監督の地位にあるなど職責の度合いが特に重いとき。
(5) 団員が非違行為に該当する行為を行ったことを理由として過去に懲戒処分を受けたことがあるとき。
(1) 団員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出るなど非違行為に対するその後の対応に誠意があると認められるとき。
(2) 非違行為を行うに至った経緯その他情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき。
(3) 団員の日頃の消防団活動が極めて良好であるとき。
(懲戒処分としない場合の取扱い)
第6条 任命権者は、団員の行為が別表に掲げる非違行為の種類に該当する場合であって、当該団員が行った当該非違行為の態様等に照らし、懲戒処分を行わないことに相当の理由があると認められるときは、懲戒処分を行わないことができる。
(別表に掲げられていない行為の取扱い)
第7条 任命権者は、団員の行為が非違行為に該当する場合であって、別表に掲げる非違行為の種類に該当しないときは、当該行為に類似する非違行為に応じた懲戒処分に準じて当該非違行為に応じた懲戒処分を行うものとする。
(消防団員分限懲戒審査会)
第8条 任命権者は、懲戒処分を行うにあたっては、甲賀市消防団員分限懲戒審査会(以下「審査会」という。)の意見を聴かなければならない。
2 審査会は、任命権者の命により懲戒処分の対象となるべき事由の存否等について調査し、この訓令に規定する基準に従い処分の可否及び内容について審査を行うものとする。
3 審査会は、団員の行為がこの訓令に規定する非違行為に該当する場合であっても、その情状等によっては、この訓令に規定する基準にかかわらず、当該基準に規定する処分を加重し、又は行わず若しくはその程度を減ずるべき旨の意見を述べることができる。
(委任)
第9条 この訓令の施行に関し必要な事項は、任命権者が別に定める。
付則
この訓令は、平成25年4月1日から施行する。
付則(令和5年訓令第2号)
この訓令は、令和5年3月31日から施行する。
別表(第2条関係)
非違行為の種類 | 懲戒処分 | ||
団務服務違反関係 | 消防団活動不良 | 消防団活動中に現場を離脱して団務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | 戒告、停職 |
団務違反 | 法令等及び上司の職務上の命令に違反をした場合 | 戒告 | |
秘密漏えい | 職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | 停職、免職 | |
個人の秘密情報の目的外収集 | その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合 | 戒告 | |
政治活動等 | 消防団又は消防団員の名義をもって特定の政党、結社若しくは政治団体を支持し、反対し、又はこれに加担した場合 | 戒告、停職 | |
寄附金、営利行為等 | 消防団又は消防団員の名義をもってみだりに寄附金を募り、又は不当な営利行為をなした場合 | 戒告、停職 | |
セクシュアル・ハラスメント及びパワー・ハラスメント | 強制わいせつ、職務上の立場を利用した性的関係又はわいせつな行為をした場合 | 停職、免職 | |
意に反することを認識の上で、性的言動や人格と尊厳を侵害する言動を繰り返し行った場合 | 停職、免職 | ||
性的言動、人格と尊厳を侵害する言動を繰り返し、職務環境を悪化させた場合 | 戒告、停職 | ||
公金公用物等取扱関係 | 横領 | 公金又は公用物を横領した場合 | 免職 |
窃取 | 公金又は公用物を窃取した場合 | 免職 | |
紛失 | 公金又は公用物を紛失した場合 | 戒告 | |
盗難 | 過失により公金又は公用物の盗難に遭った場合 | 戒告 | |
公用物損壊 | 故意又は過失により公用物を破損した場合 | 戒告 | |
出火、爆発 | 過失により職場において公用物の出火、爆発を引き起こした場合 | 戒告 | |
諸報酬の不適正受給 | 故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして報酬等を不正に受給した場合 | 戒告 | |
公金公用物処理不適正 | 自己保管中の公金の流用等公金又は公用物の不適正な処理をした場合 | 戒告 | |
公務外非行行為 | 放火 | 放火をした場合 | 免職 |
殺人 | 人を殺した場合 | 免職 | |
傷害 | 人の身体を傷害した場合 | 停職 | |
暴行、けんか | 人に暴行を加え、又はけんかをした団員が人を傷害するに至らなかった場合 | 戒告 | |
器物損壊 | 故意に他人の物を損壊した場合 | 戒告 | |
横領 | 自己の占有する他人の物(公金及び公用物を除く。)を横領した場合 | 停職、免職 | |
窃盗、強盗 | 他人の財物を窃取した場合 | 停職、免職 | |
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合 | 免職 | ||
詐欺、恐喝 | 人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合 | 停職、免職 | |
違法賭博 | 違法賭博をした場合 | 戒告 | |
常習として違法賭博をした場合 | 停職 | ||
麻薬、覚せい剤等の所持又は使用 | 麻薬、覚せい剤等を所持又は使用した場合 | 免職 | |
酩酊による粗野な言動等 | 酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合 | 戒告 | |
淫行 | 18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合 | 停職、免職 | |
痴漢行為 | 公共の乗物等において痴漢行為をした場合 | 停職 | |
条例違反 | 滋賀県迷惑行為等防止条例(昭和38年滋賀県条例第36号)その他のこれに準ずる条例に違反した場合 | 戒告、停職、免職 | |
交通事故、交通法規違反関係 | 別に定める交通事故等処分基準算定表にて処分 | ||
監督責任関係 | 指導監督不適正 | 部下団員が懲戒処分を受ける等した場合で、管理監督者としても指導監督に適正を欠いていた場合 | 戒告 |
非行の隠ぺい、黙認 | 部下団員の非違行為を知得していたにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した場合 | 停職 |
交通事故等処分基準算定表
1 基準
項目・区分/算定 | A | B | C | ||
道路交通法(昭和35年法律第105号)違反 | 違反区分① | 内容 | 〇酒酔い運転(減点対象外) 〇酒酔い運転ほう助・同乗(減点対象外) | 〇酒気帯び運転ほう助・同乗(減点対象外) | |
〇酒気帯び運転(減点対象外) | 〇無免許運転(減点対象外) 〇速度超過50km以上 | 〇速度超過30km(高速40km)以上50km未満 | |||
〇その他道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)別表第2に規定する基礎点数が9点以上に該当する違反行為 | 〇その他道路交通法施行令別表第2に規定する基礎点数が6点以上8点以下に該当する違反行為 | ||||
点数 | 80 | 70 | 20 | ||
交通事故 | 過失度合② | 内容 | 〇当該団員の過失割合が相手方より多い場合 | ||
点数 | 15 | ||||
人身事故③ | 内容 | 〇死亡(人身事故の発生後24時間以内に死亡したもの) | 〇重傷(人身事故によって負傷し、30日以上の治療を要するもの) | ||
点数 | 40 | 30 | |||
物損事故④ | 内容 | ||||
点数 | |||||
加点⑤ | 内容ア | 措置義務違反 〇ひき逃げ | 措置義務違反 〇あて逃げ | ||
点数 | 50 | 30 | |||
内容イ | 〇信用失墜 | 〇再犯(1年以内) | 〇報告の怠り又は隠ぺい 〇公用車無断使用 | ||
点数 | 20 | 15 | 10 | ||
内容ウ | |||||
点数 | |||||
内容エ | 〇その他特に考慮すべき事情がある場合 | ||||
点数 | 30~5 | ||||
減点⑥ | 内容 | 公務中(緊急車両等による緊急出動中の場合) | その他特に考慮すべき事情がある場合 | ||
点数 | △20 | △20~△5 |
処分等の基準合計=①+②+③+④+⑤+⑥= 点 |
2 処分の目安
免職 | 停職 | 戒告 |
96以上 | 81~95 | 51~80 |
※当該団員に過失がない場合、交通事故の項目は採用しないものとする。
※酒酔い運転とは、道路交通法第65条第1項の規定に違反する行為のうち、酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができない恐れがある状態をいう)で運転する行為をいう。
※酒気帯び運転とは、身体に保有するアルコールの程度が、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15以上でアルコールを保有する状態で運転する行為をいう。
※「ほう助・同乗」とは、酒酔い運転又は酒気帯び運転となることを知りながら運転する者に飲酒を勧めたり、飲酒運転をしていることを知りながら同乗した場合をいう。